フウシカフィールドレポート - 2022年 初夏

 


眩しい太陽と爽やかな風が心地よい5月末の日曜日、子供たちと一緒にFUUSHIKA ORGANICの田植えに参加させていただきました。
田んぼに着いたとき、目の前に広がる光景を見て思い浮かんだ言葉は、「自由」と「平穏」。

壮大な山々に囲まれたこの空間はなんて美しいんだろう。

子供たちは泥だらけになって土手を駆けまわり、大人たちは座ってランチを食べたり、残った苗を植えたり。
日常生活とは明らかに違う、ゆったりとした時間の流れがそこにありました。





私にとっては小学校以来の田植え。子供たちにとっては初めての田植えです。

 

はじめは戸惑っていた子供たちも飛び跳ねるカエルを見てようやく泥に足をつけました。

素足に感じる泥の感触。苗の根っこの生命力。水路の水の冷たさ。五感が開放された子供たちの表情は本当に生き生きとしていて、自然と共鳴しているようでした。いつの間にか他の子供たちをお世話してあげたり、遊びを考えたりしている彼らを見ていると「不自然なものが何もない環境の豊かさ」をしみじみ感じます。


 

苗を植え終わった森さんの田んぼは、機械を使った田んぼに比べると曲がりくねっていて、それがまた愛おしい。
泥の中に佇んでいる小さな苗が10月には白米となって私たちの糧となることが奇跡のように感じました。

隣に広がる森さんの畑では女の子たちが野の花を摘んでいました。
これから宅配野菜として全国の家庭に届く野菜達もすくすく育っているようでした。

 

虫、アメンボ、カエル、キジ。畑と田んぼが作り出す生命の輪。オーガニックというのは単なる農法ではなく相互関係性であり、すべての生命のバランスと調和であることがこの小さな空間からも見えてきます。




今回一番印象に残ったのは、お母さんたちのまあるい、穏やかな笑顔です。

広々とした場所で子供たちを走らせる解放感。誰かが子供たちを見てくれるという安心感。


現代の抱える色々な問題を解決する鍵が、田植えの時間の中に散りばめられているような気がしました。


稲が実る季節、またこの場所に集まり、自由で平穏な時間に出会える日を楽しみにしています。

 

 

written by Miho Hirano