FUUSHIKA user interview -"way to organic life"#1 前編

navigator#1 清水友保さん、莉奈さん、瑚々夏ちゃん

・お住まい:山梨県北杜市
・利用商品:宅配野菜 市内配達 定期便(週1回)


雪が静かに舞う1月のとある日、緑に囲まれた心地の良いリビングで出迎えてくれたのは、清水友保さん、莉奈さん、瑚々夏ちゃんご家族。友保さんと莉奈さんは共に山梨県北杜市出身。北杜市内にある美容室とアロマトリートメントのサロンsora et ATELIERを営んでいる。

二人がフウシカオーガニックの森夫妻と出会ったのは、5年前。娘の瑚々夏ちゃんが保育園で最初に仲良くなったのが、森夫妻の長女 千晴ちゃんだった。それから親同士で話す機会が増え、それぞれの仕事や興味など様々なことを交わす中で、子どもの食の安全や環境危機にかける森夫妻の思いと、野菜づくりへのこだわりに深く共感し、3年前から宅配野菜の定期便を愛用している。

二人が日々の食生活にフウシカオーガニックを取り入れるまでに、どんな経験や思いがあったのか。そして実際に宅配野菜を利用して感じていることを、2回に分けてじっくりご紹介したい。

自然と共にあるサロンを

「地元である北杜市で、自然に囲まれたサロンを開くことが美容師を志した頃からの目標でした」と話すのは、友保さん。東京の美容学校へ通いながら、都内や山梨で腕を磨いてきた。莉奈さんは18歳でアロマセラピストを志願し、東京の専門学校へ進学。ホットストーンや体の勉強をしながら都内で経験を積み、10年前友保さんと共に「sora et ATELIER」を開いた。


「都会の美容院って、お店の空間がどれだけ心地よくても、窓の外にはビルや人混み。その場その瞬間は癒されても、一歩外に出たら現実に戻る。そうではなくて、八ヶ岳の豊かな環境とお店がひとつながりになった、自然の一部のようなサロンが作りたい。窓越しに触れる自然な色彩、待ち時間も含めてリラックスできる環境。全身で感じる空気と水、サロンを出た先にある日々の食生活まで、全て含めてこの地の豊かな自然と共にあるサロンを形にしたい。それが私達の思い描いていた夢でした」

「見てください、僕の手。今使っているハードスプレーもワックスも、全て天然素材で出来ています」と、開いて見せた友保さんの掌は、一日中カラー剤やシャンプーに触れているとは思えない艶やかさ。「sora et ATELIER」に込められた二人の思いは、サロンで提案しているシャンプーなどのヘアケア商品にも表れている。極めて高い生分解性のカラー剤やパーマ液を選ぶのは勿論のこと、瓶やアルミなどの再生可能な容器や、オーガニック認証のとれたハーブを使用した商品など、環境に配慮されたブランドを取り入れている。「僕が美容学校で学んだのは、ケミカルな知識とそのメリットばかり。でもあることをきっかけに、これではだめだなと思った。都内にはコンビニの4倍もの美容院があるんです。その全てが、自然界で分解されないパーマ液やカラー剤を流していたら…。美容業界が環境汚染に与える影響は大きい」と友保さん。「自分自身がどんなに綺麗になったとしても、そのせいで苦しむ人がいたり、自然が汚されたりするのは心地良いことではない」と莉奈さんも続ける。

未来に向けて、食べてほしいと思うもの

友保さんは美容師という職業柄、食事も休みも不定期。インスタントな食事を繰り返すうちに体調を崩した時があった。「18の頃の自分はひどいです。よく生きていたなと思う」と苦笑する。病院にも通うようになり、身を以って食べることの重要性を知った。その頃、口にする食べ物や身体に触れるものがどう自他に影響するのか、知識を深めてサポートしてくれたのが莉奈さんだった。それから少しずつ、健康であるために必要な食のこと、地球環境への影響についても二人で理解を深めていった。そして5年前に瑚々夏ちゃんが産まれたことで、より一層食の安心安全、未来への責任を考えるようになる。

フウシカオーガニックと出会う前から、地元の野菜や有機野菜を出来るだけ選んでいたという二人。売り場で野菜を見る時は、パッケージや野菜から受けるエネルギーを感じて選ぶようにしていたと言う莉奈さんにとって、フウシカオーガニックとの出会いは運命的だった。「素敵な二人が作っている野菜。味だけでなく、二人が大切にする背景も含めて全て共感し、信頼できるものでした。小さな子どもと暮らす生活では、口にするもの全てを吟味することは難しいけれど、身体づくりの基になる家で食べる野菜なら、まるごと自分たちの意志で選ぶことができる。心から安心して、こどもに食べて育ってほしいと思うもの。それが森さんのつくる野菜でした」

物語を食す、豊かさ

週一回の宅配野菜は、莉奈さんが保育園のお迎えの際に森薫さんから受け取る。その時点でコンテナに詰まった野菜たちが活き活きとエネルギーに満ちているのがわかるという。その中に瑚々夏ちゃん大好物のトマトがあれば、待ちきれずに帰りの車でぱくぱく食べる。洗わなくても、そのまま安心して食べられる野菜。ついさっきまで大地と繋がっていた無農薬のトマトは、思いっきり遊んだ身体にはさぞ美味しいことだろう。

「その日は僕が仕事から帰ると、食卓がフウシカの野菜でいっぱい。“今日はちいちゃん(森さんの長女)ちの新鮮野菜だよ!”って莉奈が嬉しそうに教えてくれて、3人でもりもり食べます」と友保さん。「同じ野菜でも色や形にすごく個性があって、それが本当にかわいい。薫ちゃんから野菜を受け取った日は、キッチンがフウシカの野菜でいっぱいに。その野菜を眺めてご飯を作ることが毎週の楽しみです」と莉奈さんも続ける。野菜売り場に並んだ生産者の名前や顔写真、小さなラベルの情報だけでは、実際の栽培環境や作り手の思いなどわからない部分も多い。だけど森さんだったら、タネのこと、土や水、環境にかける思い、プラスチックごみの削減など、様々なことに信念を貫いていることを知っている。「食卓に並んだ野菜を見ると、フウシカの畑の情景がぶわーっと目に浮かぶんです。こんな物語のある野菜なんて、他にはないです。この魅力は、僕らにとって価格以上の価値がある」

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取材・文・写真/ "種と風広報舎" Chiaki Nakamori